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クリントン大西の裏日記

2017

0323
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2009

1126
樹海月さんの「赤いへやの殺人」読了。

大学の推理小説サークルが、孤島で・・・・! みたいなアレ。

例によってネタバレなので、以後は「つづきはこちら」より。


【赤いへやの殺人 読書感想文】



まず、是非とも冒頭にキャラクター紹介を書くべきだと感じた。

登場人物総数はさほど多くないのだけども、いかにも講談社ノベルズ系というような「難解な名前」の人が多く・・・・・軽い紹介を交え、そういう一覧はあった方が良いな、と感じた次第。

文中でも書かれている通り、非常に「森博嗣チック」な出だし。多大な影響が見て取れる。

言葉選びが面白い。「異化」というものを、巧みに使っている。比喩の切れ味も好みだ(「アメリカ大陸と極楽浄土」、「血液だって循環をボイコットしそうだった」など)。

反面、セリフ部分で引っかかりを多く覚え、それが残念な点。劇中には『脚本』があるわけだけども───それを差し引いたとしても、少々「説明口調」過ぎるきらいが随所に見られる。

これは一般的な市販小説にも言えることだが、非常に芝居がかりで、もう本当に『特殊な人々』という印象が強く残る。「特定のキャラがそれ」というのではなく、全キャラまんべんなく・・・・ってあたりが気になるのだろうね。

(例)

「安心したまえ諸君」
「バイビ~」

全員がこのノリ、というのは多少問題だろう。


ヒロインの「秋ヶ瀬さくら」は、西之園萌絵というよりは二階堂蘭子を連想。

「大学の推理小説愛好サークルの面々が、孤島に集合」────その一点に限り、まずもって『手堅い(ありふれた)』アプローチなのだが、その孤島で「撮影」という発想が非常に斬新。虚構ない交ぜという部分、『匣の中の失楽』を想起させる構造だ。新興宗教の「挿入話」も、効果的に挟まれている。

その『脚本』・・・・・大半がアドリブ=演劇で言うところの「インプロビゼーション(即興表現)」に相当するものか? その辺のウンチクを、文中に入れるのも良いような気配。

時系列がわりと複雑化しているので、その分「図」がないのは不便。キャラ紹介に併せ、そうした図解もあると更に良い。

「~三〇三号室内には可憐な美少女が屹立~」

可憐な少女にしては『強そう』すぎる(笑)。「佇む」あたりが柔らかい。

主人公の「異能」・・・・決着具合で個人的に不満が残る。後日談にて、もう一つ「飛躍」があった方が、あるいはより「恐い」かも。

ビデオデッキ(DVD含む)は、基本的に内部電源(電池)があり、現在時刻は保持される仕様。その辺で少し「特別なデッキ」みたいな解説が求められる(逆に言えば、その程度の修正で済む問題)。

「和歌山県紀伊勝浦の港から自家用高速船に乗ったときから(重複)」



・・・・・いろいろ書いたが、この作品の見所は何と言っても終盤のどんでん返し。これはもう「語らずにはいられない」破壊力で、漠然とその結末を予想していた読者をさえ、唸らせるものがあった。やっぱラストのひっくり返しは必要だなぁ。次作を練るにあたり、非常に考えさせられました。

一方「序盤」でややもたつく向きもあり、これはキャラクター紹介のスムーズさ不全が主な要因かと思われるので、ここは大胆に「孤島に向かう前の、サークル活動風景」みたいなものを挿入し、補完するのも良いのでは。

いずれ、これは改稿を重ね大化けする種類の作品だと確信する。

筆者・樹海月さんにあっては是非とも大切に温めて戴きたい。
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