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クリントン大西の裏日記

2017

1022
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2009

0119
19:18

とゆーわけで、「名古屋ふらり」シリーズを終え、通常営業再開。

昨日と今朝で、『十三回忌』読破。感想はネタバレ満載なので、また例によって「つづきはこちら」以後に書く。未読の人は読まない方がたぶん良い(それでも読む人は、「覚悟」すれば良いだけ)。

『エンゼルバンク』の1巻から4巻までをまとめ買いして、今読んだ。受験漫画『ドラゴン桜』の続編で、今度は『転職斡旋』がテーマ(つまり、ドラゴン桜の“社会人版”)。純粋に単独の作品として楽しめるが、前作登場キャラクターの「その後」が知れ、昔の読者はより一層楽しめる、そんな作りだ。

わたしが前にブログで書いた内容が幾らかカブっており、「あ、パクリやがった!」などと叫んでも良いが、まぁ、これはカブるのも仕方がない。当たり前のことだし(例:大勢の逆を行け、常識は頼りない、夢や『やり甲斐』なんて言っているうちは大成しない、など)。

それより何より、主人公がコイツってのが笑ってしまった。意表を衝くなぁ。

before.jpg













あの「ツノ」でお馴染み、英語教師・井野。

after.jpg











時の流れが、彼女からツノを奪い去った!


やはり主役にあの「ツノ」はねーだろう、という判断か。主役になって、ツンデレ度も急上昇。桜木でなくても、これはからかいたくなるかも知れない。32歳のニューヒロインだ。

「十三回忌」感想は、本日中に不意打ちでアップ。


20:22

十三回忌・読書感想文完成
(ネタバレありまくり)。

「つづきはこちら」から、読みたい人だけ読むと良い。

                                                                                      





十三回忌(作・小島正樹) 読書感想文



文章が読みにくい、ってのが幾らかのレビューを読んだ平均的下馬評であったが、そんなに読みにくいとは思わなかった。むしろ、読みやすい(キャラ同士の会話も弾んでいる)。ただ、情景描写は『図』がないと、正直良く分からない(図があったので助かった)。『風情描写』とは分けて、『情景描写(どこに何があるかの説明)』は、もう少し平易な・・・・フツーの語彙での解説がよりベターかも、という感想。加えて、解説部分を短めにすると読者に親切かも知れない(ただし、読者に必ずしも親切にする必要はない。最終的には筆者の判断)。

登場人物、やはり多いが・・・・メインどころ(刑事軍団、ナントカ家の一族)までは問題ない。使用人かな・・・この辺が、ちょっと朧な印象(口調などで個性付けしようという、『努力の痕跡』はあるが)。

名探偵、まさか出るとは思わなかった。この構造では不要かも、という気がした。桐野警部補を少しボトムアップさせつつ、『チームプレイ』で・・・・という方が、あるいは良かったかも知れない(小沢、秦が思わぬヒントを・・・とか。中盤までカタキ役だった柴課長が、いざ、の場面で有能なところを見せる・・・ってのも面白い)。

名探偵で更に言えば、本人のキャラクターが良く分からない。『明らかな異物』というなら、もう少し人格デザインが突飛でも良かったが・・・・・いや、まぁそれ以前に、やはりこの物語においては『蛇足』といった印象が強い。彼、海老原探偵を『主役』でやるとすれば、刑事軍団をもう少し薄め、探偵自身の掘り下げを加えた方が良かったと思う。また、「どっちも掘り下げたい」のであれば、やはりもう少し物語にボリュームが求められる(その上でメインの視点をどこにするか決める)。この「ボリューム」については、我が福ミス投稿作品の反省点でもある。削るだけが創作ではないのだ

美点。たくさんある。

『気動車』転覆のところなど好きだ。「2つの洞窟」のアイディアも秀逸。刑事達の背景設定(世界観)が肉厚で、感情移入できる(逆に言えば、それが却って探偵の『薄さ』を際だたせてしまったのかも)。柴課長のキャラクターが特に良い。「真剣な俗物」の魅力。世代交代・時代の流れを表現するにも、「刑事軍団」の設定は非常に良かった。

一部で「バカミス」と指摘されているメイントリック──────バス関連のアレ─────素晴らしかった。「そこまでやるか!?」が、大規模トリックの醍醐味である。ヒント(伏線)も必要充分。しょっぱなで一番デカイ「これ」を出してきた判断も良い(エンターテイメントは、ハッタリが全てだ)。

わたしは基本的に、本格ミステリを「推理しては読まない」人である。物語に身をまかせ、異端部分で「驚けて」こそ、作品をたっぷり楽しめると信じているからだが・・・・大規模トリックほど、ネタバレしやすい(異端的な例外は、占星術、眩暈。あと人形館と人狼城・・・・コズミック、ドグラマグラ─────ぐらいか。あ、『ハリーポッター』を入れても良いなら、『アズカバンの囚人』も凄かったな)。

事実、「ブランコ」と「中庭の溜め池」だけはわりとすぐに気づいた(花壇、土砂、あとロープがちょっと分かりやす過ぎたかな。フェアプレイってのも難しいね。特に前者、その手のトリックを考えた者だから余計良く分かる。「飛ばす」か「浮かす」か「交換するか」しか、物理的に選択肢がない)。ただ、『唇』と『仮面』、『壁の声』はマジメに分からなかった。小さな、さりげないトリック(謎)の方が、色々と露見しにくい。有栖川有栖など、その点をよく利用していると思う。京極夏彦の『魍魎の匣』も、その場面を読んだ瞬間ネタが分かったが、しかしあれはやはり名作だ。・・・・・バカミス? 褒め言葉だろう、それは

基本的には「ハウダニット(どうやって?)」だが、一応「フーダニット(誰が犯人?)」の要素もあり、島田荘司がオビの文章で「最後の大仕掛け」と書いていたのも、恐らくその部分だと思われるが・・・・・これは136ページ『幕間(四)』で判った。「もう一人の嘘をついた少女」の部分をリフレインしてしまったのが裏目に出ている。つまり、親切過ぎる。篤則へかけられた言葉に反応する『誰かの頷き』に、主語がない。これはちょっとあからさま・・・かもだ(今までの文章パターンに、この手の『主語抜き』が目立って少ないのも露見要因)。上の2つのヒントから、推理する気がなくても必然的に「残った少女」で検討してしまう。検討すれば、辻褄は合ってしまう(何しろ、真犯人なのだから)。

無論、これは『推理』ではなく、いわば『メタ読み』・・・・・読者という超越的視点にいるからこそ分かる、反則みたいな読み方である。ただ、推理する気がない読者でさえ気づけてしまう、というのは多少問題かも知れない。問題点解決の策としては・・・・

(1)「幕間(四)のサーヴィスを削る」
(2)「三姉妹+1」のキャラクターを事前に全員平たく掘り下げておく。
(3)『死者の犯罪』といった時限装置的犯罪の可能性を、物語中で示唆しておく。
(4)不三彦、篤則の『憎しみ部分』を少し薄くし、『意外と善人』みたいな描写を増やす。
(5)『刑事の犯行』というような、読者にとってはプチ意外な方向も開拓し、ミスリード。
(6)金持ちボスである「恒蔵」の犯行動機も作っておく(マトを増やす)。

・・・・かな。

結論として言えば、1800円分の価値はあった。プロの仕事は果たしている。

それだけに残念。


この作品は、料理の仕方次第で4万円分ぐらいには化けた

でも、上にだらだら挙げた指摘は、作者本人もとっくに承知しているだろう(気づけない筈がない)。故に、次回作が楽しみだ。次作はもっと面白い筈。「名探偵の出し損ね」を逆手に取った、晴れやかな「海老原デビュー」を期待したい。
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ネタバレ質問
すいません、他の方の書評は、ネタバレしてないんでこちらに書かせてください。

どうしても、わからない部分があります。
あの、仮面にナイフを仕掛けたのは誰ですか?

真犯人は歩くのもやっと...
鍵の問題もあり、何回か実験の必要もあり、
また、家の人に気づかれずに仕掛けるのは、
不可能と思うのですが...

読解力なくて、すみません。
SKY 2009/06/30(Tue)13:08:50 編集
えー・・・どうでしたかね?
読んだのは半年近く前で、しかも今手元に本がない状態ですので・・・ちょっと正確には答えられません。お役に立てず申し訳ない。

後半のハナシですよね? ナイフ、鍵については確か説明があったと思います。実験の要、不要は・・・・あー、やっぱり記憶がおぼろです(苦笑)。家の人に気付かれずに? そこまで大それた仕掛けではなかったような記憶なのですが、どうでしょう。
クリントン大西 2009/06/30(Tue)17:10:17 編集
ありがとうございます。
そうですか...残念です。
確かに、ナイフ、鍵については説明があったんですが、そこから導き出された犯人は次男やったんです。(もっともそれは、バラの花の問題で容疑は晴れたのですが...)
ご存知のように土壇場で犯人が変わったとき、
次男がやったとされるトリックが果たして真犯人に可能か?というところの疑問なんです。
(体力的な問題、鍵の問題、入院中の犯人が鍵を得るために動き回ったら、家中大騒ぎになったと思います。現に終盤、犯人が帰ってきたとき、女中たちはあわててました。)
犯人と次男が共犯関係なら問題は無いのですが、
そんな描写は無いし...
とりあえず、もう少し調べてみます。
ありがとうございました。
SKY 2009/07/01(Wed)12:47:27 編集
なるほど
ふーむ・・・・そうですか。その辺は、どうなんでしょうね。また本が元に戻ってきた際、ご指摘の箇所を再確認してみたいと思います。
クリントン大西 2009/07/01(Wed)18:31:56 編集
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