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クリントン大西の裏日記

2017

0525
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2009

0323
8:38

今さっき読了。

島田荘司・筆の後書きを読み、「ああ、なるほど。あの辺が直されたり、加えられたのだな」という感じ。確かに「いきなり玄人はだし」の、しかも傑作だ。

細かい感想は超ネタバレになるから、例によって「つづきはこちら」以後に隠して記載(未読の人は読まない方が絶対良い)。


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【松本寛大・著「玻璃の家」 読書感想文】


カタカナ名前ばっかりだから全員アメリカ人かと思いきや、さりげに主人公だけ日本人だったのにまず驚いた、と同時に感心した。漢字で書くと『世良 藤間』かな? キャラクターのみに焦点をあてて言うなら、わたし好みの俗物パパ、「フェイトン教授」の描写が少なかったのは残念だ。ドニーも影薄いけども、モナに至っては殆ど空気。後書きにて島田荘司も触れていたが、もうちょっとこの辺で脇道に逸れてくれても楽しかった・・・・かも知れない。

ストーリーは緻密で、まさに完璧。

二階堂黎人は「細かいところが気になった」らしいが、わたしはその「細かいところ」が全く分からない。強いて言えば、「ガラス排除の真・理由」だが・・・・これは本文でも「危うい計画」とされていたし、そもそも必ずしも完璧である理由もない(元々不完全な計画だった、という意味で)。まぁしかし、プロが深く読んだら、実はまだどこかに隙があったりするのかも、だ。

巻末に並ぶ「主な参考文献」が鬼のような数。科学的知識はさておき(これはわたしも結構調べるので)、アメリカの風俗や法、その実際について相当詳しく調べている点にも深く唸らされた。「あ、やっぱり『メイフラワー・ファミリー』ではなく、『ピルグリム・ファーザーズ』なんだなぁ」とかね。

「相貌失認」自体は、わたしの知るほかのミステリ小説でも使われていたことがあるけども、ここまで徹底して掘り下げてはいなかったし、用途趣旨も異なるので、完全な「別物」として考える事ができる。むしろメインのトリックは「双子」の方。「あぁ、こんな双子の使い方が!」という驚きがあった。双子ネタは、密室ネタと同じぐらい使い倒され、どうにも使用に躊躇してしまう題材ではあるが・・・・もうちょっと頭を柔らかくした方が良いかも知れない、と反省した。

後で加えたと思われる「能面のアレ」も冴えた演出。

文章は非常に書きこなれており、ところどころでいい感じのアクセントが入る。淡々と「し過ぎてはいない」のが特に良い。「同じことを二度言わせる~」も、絶妙なタイミングで伏線として繰り返される。

トーマが一応主人公(探偵)だが、半ば意図的にキャラ描写が抑えられており、シナリオ的には『脇』の役どころ。シリーズ化は可能だろうけども、正直、彼が再登場する物語のビジョンが浮かばない、というのはある。締めくくり方からも、あくまで『一話完結』─────という前提で書いたのだろうなぁ、という印象。

何にせよ素晴らしい作品だ。こりゃ「我が前作」が敵わぬのも道理というもの。お陰で、欠けていた部分、補完すべき要素を再確認できた。やっぱり、そういうこと・・・だな(どゆこと?)。こうなってくると、残りの2作も読んでみたいが─────さすがにそれは無理か。

わたしは「わたしの武器」を前面に押し出し、『玻璃の家』を越えるべく最善を尽くそう。
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